【ニュースリリース】 物流子会社・荷主企業限定「派遣法改正セミナー」報告

派遣法改正セミナー20100222_01.jpg 2月22日(月)午後、八重洲の会議室にて、物流人材セミナー「物流子会社・荷主企業(自家物流)はもっと"派遣法改正"に敏感であるべきだ!」を開催。当日、会場は定員一杯の参加者で溢れ、荷主企業・物流子会社の派遣法改正に対する意識の高さを伺わせる。なかには、現在、業務を委託している3PL事業者の労務コンプライアンスを懐疑的にみている荷主企業もあり、"派遣法改正"に対する物流事業者との温度差を垣間見ることとなった。

ロジラテジー 栃本浩昭.jpg 第一部、冒頭、当社、物流人材コンサルタントの栃本浩昭(とちもと・ひろあき)により、派遣法改正の動向を解説。派遣法改正に関する多くのメディア報道が、①製造業派遣の禁止、②登録型派遣の禁止に集中するなか、物流業務おいては、「スポット派遣の禁止」、「労働契約者申し込みみなし制度(雇用見なし制度)」の2点が重要である点に言及。前述の2点は「猶予期間」について議論されるものの、ポイントとなる2点は、公布から半年以内であること。その上で、物流現場の2つの選択肢「直接雇用化」と「業務請負化」について手順と特性などを解説した。

物流子会社セミナー20100222_02.jpg 参加者がもっとも関心を寄せたのは、当社による荷主企業・物流子会社に対する「協力会社の物流現場の労務コンプライアンス体制に不安はありますか?」というアンケート調査結果。参加者のなかには、自社で現場を運営を行っている会社もあったが、メーカーや小売の立場で、パートナー物流企業の労務コンプライアンスの不備を案ずる声が多かったのが印象的であった。続いて、物流業務の発注者としての荷主企業・物流子会社の立場で、専業者をパートナーとしている際に陥り易い「偽装請負」について解説。昨今、大手専業者のなかには、単に、派遣契約を請負契約に切り替えるだけの小手先対応が横行していることに警鐘を鳴らした。最後に、「直接雇用化」、「業務請負化」のいずれの場合も、労務コンプライアンスの徹底が重要であることについて述べ、当社独自のチェックシートの活用を推奨した。

 ビジネスアプリケーション 浪江豊.jpg 続いて、人材総合管理パッケージシステムとして圧倒的な信頼を誇る㈱ビジネスアプリケーションの浪江豊(なみえ・ゆたか)営業マネージャーによる、物流企業の「直接雇用化」、物流業務委託パートナーの労務コンプライアンス徹底のためのソリューション"Succeed"の紹介が行われた。同社は、平成16年、経済産業省の「情報化月間推進会議議長表彰」を受賞、同18年には、同じく経済産業省の「IT経営百選最優秀賞」を受賞した、会社、製品ともに国の賞を受賞するといった優れた功績がある会社だ。その製品は、メーカー、大手物流企業などの子会社の人材会社などが導入しており、派遣法改正の結果として、"波動調整機能"を自社で進める必要性が出てくる物流企業にとっての強い味方だ。その優れた点は、システム性能、導入時・導入後のサポート体制などの高い信頼性に裏付けされている。①労務管理負荷の軽減、②業務波動対応、③労務コンプライアンスの徹底など、"Succeed"導入効果を解説し製品紹介終了。

セル・ホールディングス 代表取締役社長 三浦弘人.jpg 第二部は、物流業界に数少ないコンプライアンスを徹底している請負会社による事例紹介。最初に、㈱セル・ホールディングス三浦弘人(みうら・ひろと)代表取締役社長により「業務請負化"成功のコツ"」と題された講演。単に、「派遣契約」を「請負契約」に切り替えるだけの偽装請負が横行する現在の物流業界において、労務コンプライアンスと現場生産性を徹底的に見える化している同社の取り組みを紹介することは意義深いとの思いで、同社に講演を依頼したのが講演の経緯だ。実際に、物流事業者や請負会社に自社の物流業務を発注する立場の参加者が、業務請負化するための適切な手順を知る機会は少ない。講演では、同社の説明に続き、業務請負化を進める手順、現場管理手法などを説明。続いて、業務請負に移行する際の成功例、失敗例を具体的に解説。特に、失敗に陥る要因として、①虚偽のデータ・コストの海事、②品質に関わるデータ・コストの非開示、③コスト分析のための開示データ不足、④曖昧な業務範囲の定義を挙げた。同社特有の荷主企業の物流コストを「固定費」から「変動費」に変える挑戦は、グループ会社のコンサルティング会社「アルノ」による徹底した物流診断、更には、独自に開発した生産性管理ツール「ABMシステム」などにより成し得ているのが最大の特徴だ。適切な労務コンプライアンスコストを掛けながら、現場の生産性を向上させる同社の取り組みには頭が下がる思いだ。

エスプール ロジスティクス事業部長 中村勝人.jpg 最後は、数少ない物流業務請負いを手掛ける上場企業㈱エスプール・中村勝人(なかむら・まさと)ロジスティクス事業部長による講演。「物流現場のコンプライアンス管理~コンプライアンス運営のあるべき姿とは~」と題された講演では、コンプライアンス上、抑えるべきポイントとして、①運営実態、②労務管理、③安全衛生、④下請法の4つの点を指摘。この4つの点それぞれに、細やかなチェック項目を設定し請負化を進め、運営していくのが同社の特徴だ。コンプライアンスを徹底することは、企業の責務であり、経営上、当然のこととの考え方には、上場請負会社ならではの安定感が漲る。と同時に、「目先の利益に走るのではなく、適切なコンプライアンスコストを掛けること」の重要を説く。同社では、「コンプライアンス管理本部」を設置し、本社として、労務管理・改善指導、安全パトロールに取り組んでいる。その際に用いる「安全衛生パトロールチェック表」、「危機予知トレーニング」、「事故報告書」、「再発防止報告書」などは、コンプライアンスを徹底してきた同社ならではのノウハウの蓄積であろう。余談ながら、現場生産性の向上に努めながら、コンプライアンス徹底に努める両社の取り組みは、派遣法改正を見据えるなかで、業務請負化の範たるものである。(文責:延嘉隆・ロジラテジー代表取締役)



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