【ニュースリリース】 弊社主催セミナー「今、物流業界に伝えたいこと」開催

20120202_01.jpg 2月2日(木)午後、東京都立産業貿易センター会議室(東京都港区海岸)にて、弊社主催セミナー「今、物流業界に伝えたいこと~ロジスティクスの原点は"人づくり"にあり~」を開催致した。定員80名に、約100名のお申し込みが殺到し、約20名もの方のご参加をお断りしたことを、主催者の代表としてお詫びしたい。

20120202_02.jpg 第一部の講師は、元カリスマ教師として知られる原田隆史(原田教育研究所・代表取締役社長)氏。大阪市の公立中学校の保健体育科の教諭として、荒れた中学校の生徒指導、陸上競技指導に従事。個人優勝日本一を13回輩出するなど、人づくり、教育には定評がある。現在、ビジネス・ブレークスルー大学 経営学部教授も務められ、大学生の教育にもあたっている。原田先生の「カリスマ教師直伝!自立型人間育成はこう進めろ!」と題された講演は、「とにかく面白い、納得させられる、人を育てることを気づかされる」という点に尽きる。

20120202_03.jpg 原田先生が説く「原田式」では、生きる力と社会人の基礎力に加え、経済的・精神的・社会的に自立している"自立型人間"の育成を基本としている。何より、「人格」の上に「能力」が備わるとの考え方にたち、1.仕事で結果を出すこと(意思の力)、3.人を助けること(愛の力・助ける・教える・自他を愛する)ということを重視する。と同時に、個人であれ組織であれ、再建の3原則(時を守る・場を清める・礼を正す)を基本原則としている。セミナーでは、「原田式長期目的・目標設定用紙」をもとに、成功のイメージを強化することの重要性にも触れた。また、組織の5つの型について触れ、各々の組織の特性などを解説。今回の基調講演は、あまりに、もりだくさんで、本レポートでは全てを書くことができないが、人を育てる信条として、「①仕事だと思うな 人生だと思え、②一寸先は光です、③敵は誰ですか、私です」という言葉が印象に残った。会場にいる誰もが感動し、会社で指導的立場にある参加者自身の心のコップが上を向くような刺激的で"熱い"90分だった。

20120202_04.jpg 第二部前段は、弊社コンサルタントの栃本浩昭が、「脱スポット派遣で、現場収益は10%上がる~スポット派遣は収益悪化要因!今こそ直接雇用に舵を切れ~」と題し、冒頭、物流業界を取り巻く労働市場環境、更には、未だに、議論だけが続いている労働者派遣法の最新動向を解説。今後8年間で、労務作業者(物流・製造現場)が約2割減少するという調査結果を示し、単に、派遣法改正に対応するという発想ではなく、企業の労働力確保に向け抜本的な対策を講じる必要性を強調。有期労働契約の適正化、社会保険適用範囲の拡大、最低賃金の上昇などの労働市場を取り巻く状況を解説し、パート・アルバイトの戦力化こそが、現場力強化の手段と協調。また、多くの物流事業者が、派遣法改正に関する新聞報道を誤解している点を指摘した。未だ、議論中の法案ではあるが、基本的に、「日雇い派遣は禁止」になる、つまり、物流現場の波動対応をスポット派遣に頼れなくなる可能性に言及した。また、従来の日雇い派遣労働者から、自社のパート・アルバイトに切り替えることにより、センター収益の向上(スポット派遣費用(マージン分)の削減、労働生産性の向上)、作業品質の向上(ミス・クレームの減少、管理者のイレギュラー対応の低減)、現場マネジメント力の強化(帰属意識やモチベーション向上)などを直接雇用の効果と説く。

20120202_05.jpg セミナーでは、先進して、直接雇用に取り組む物流事業者における、自社のパート・アルバイトと、日雇い派遣労働者との作業内容ごとの生産性調査結果を提示。日雇い派遣労働者の生産性が、ピッキングで約4分の3、割高な派遣コストを勘案すると約2分の1、熟練度を要するネット通販の梱包作業などでは、実に、単純な生産性比較で約2分の1、派遣コストを勘案すると約4分の1であると、驚きの結果を示した。後半は、具体的な直接雇用の進め方、更には、優良請負会社選定の仕方に触れた。特に、前者においては、直接雇用化したときに、最も、自社社員の負荷がかかる"シフト"(波動調整)については、廉価なASPを用いるなどして作業を軽くし、また、社内制度変更が難しく、作業員を集めるためには不可欠な"給与払い"(日払い・週払い)の柔軟性について、アウトソースサービスの利用も一案であると、直接雇用に向けた様々な選択肢を指し示した。ここ最近、物流子会社などを中心に、「登録型アルバイト制度」構築のご依頼が増えてきている。波動調整が物流業の"肝"であるならば、自社で波動調整をして現場力をつけてこその物流業。まさに、物流業の原点回帰を説く内容であった。

20120202_06.jpg 第二部後段の講師は、柴嶺哲(株式会社アール・ケイ・トラック/代表取締役社長)氏。"無印良品"でお馴染みの良品計画100%子会社である同社は、派遣法改正に先駆け、直接雇用を進め、いち早く、「登録型アルバイト制度」を導入した先進企業として注目されている。今春、物流業界団体が、同社長岡センターの見学会をセットするなど、人に根差し、女性スタッフの働きやすさを追求する物流現場作りが、"最強の現場力"と、今、業界で、最も注目されている物流企業の一つだ。同社は、多種多様な商品を取り扱っているが、新潟県長岡市の物流センターは、主に、アパレルとネット通販の物流業務を行っている。この会社の現場力の強さの秘訣は、物流業務・流通加工は「労働集約型」の業務であるため、「会社は"人ありき"」との考え方に立ち、スタッフに、自分の時間を会社に提供してもらっているとの考え方をしている。ゆえに、スタッフが働きやすい労働条件を提供すること、具体的には、家族優先、子育て優先との方針がある。

20120202_07.jpg また、同社の現場作りは、①日本一、女性が働きやすい現場作り、②日本一、スタッフと会社が向きあう現場作り、③日本一、モチベーションが高い現場作り、という3つの日本一を目指している。その一端は、課長職以上に占める女性社員の割合は45%、全スタッフのうち女性が占める割合が98%、そして、特筆すべきは、育児休暇後の職場復帰率100%という数値に如実に表れている。同社の醍醐味は、毎日、スタッフから上がってくる「日報」にある。書式自体は、即座に、チェックできる極めて簡単なものであるが、その中に、少しでも作業がし易くなるような指摘、あるいは、ミスを減らすための知恵などが、現場スタッフから上がってくるのだ。誰がくるか解らない日雇い派遣を大量に使っている物流現場と比べるまでもなく、スタッフの意識の高さと生産性は驚きのものである。後半は、直接雇用化に向けた具体的なステップについて言及。派遣会社からの提案に不安を抱いた同社が、コンプライアンスの観点から、専門家に相談。「登録型アルバイト制度」を確立する背景を垣間見た思いだ。「いつ、派遣法が改正されても大丈夫」と言い切る柴嶺社長の言葉が印象的だった。(文責:延嘉隆)